そのため、様々な FX 業者で MT4 for Mac として配布している、MacOS 上の Wine を使って MT4 を動かしているようなものは、軒並動作しなくなってしまいました。
そこで、別のアプローチで動かしてみましたので、ご紹介します。
概要
今回のアプローチは、以下の通りです。技術的に詳しい方はここを見ただけでもできるかもしれません。- MacOS Catalina に VirtualBox 6.1 を載せる
- VirtualBox Extension Pack をインストールする
- 仮想マシンを作成する
- VirtualBox に Ubuntu 20.04 LTS (Focal Fossa) を載せる
- VirtualBox Guest Additions をインストールする
- Ubuntu に Wine 5 を載せる
- MT4 をインストールする
VirtualBox のインストール
Oracle VM VirtualBox のサイト から VirtualBox 6.1 の OS X hosts パッケージをダウンロードします。本日時点では 6.1.6 が最新で、VirtualBox-6.1.6-137129-OSX.dmg というファイルになっています。
dmg ファイルなので、ファイルを開くとマウントされて、以下のような画面が開きます。
wine.desktop は、Ubuntu Desktop に Wine Windows プログラムローダーで開く機能を追加するものです。
ダウンロードするのは Mac 用ではなく Windows 用にしてください。
ダウンロードしたら、そのファイルを Wine Windows プログラムローダーで開いてください。おそらくダブルクリックなどで開けば良いと思います。だめなら右クリックして「別のアプリケーションで開く(A)」を押し、そこから選んでください。
あとは普通の MT4 のインストール手順に従って進めてください。インストール中のいくつかの画面は文字化けしているかもしれませんが、インストール後のターミナルや MetaEditor は大丈夫でした。
以上となります。是非お試しください。
ここで、左上の VirtualBox.pkg を開いて、インストーラを起動してください。標準的な macOS アプリケーションのパッケージインストーラなので、普通に進めてください。
VirtualBox Extension Pack のインストール
再び Oracle VM VirtualBox のサイト から、VirtualBox Extension Pack をダウンロードします。本日時点では Oracle_VM_VirtualBox_Extension_Pack-6.1.6.vbox-extpack というファイルです。
開くと、VirtualBox マネージャが立ち上がって、インストールするかどうかを尋ねられるので、指示通りインストールしてください。仮想マシンを作成する
前の手順に続いていれば、VirtualBox マネージャーが起動していると思いますので (終了させていたら、起動してください)、そのまま「新規(N)」ボタンを押して仮想マシンを作成します。以下のようなダイアログが開きます。
名前は適当に付けてください。タイプは Linux、バージョンは Ubuntu (64-bit) を選んでください。
「続き」を押すと、メモリーサイズの指定画面になります。1024MB はちょっと心もとないので、2048MB くらいに増やしておきましょう。
「続き」を押すと、ハードディスクの指定画面になります。「仮想ハードディスクを作成する」を選択し、「作成」を押します。ハードディスクのファイルタイプの選択画面が開くので、「VDI (VirtualBox Disk Image)」を選び、「続き」を押してください。物理ハードディスクにあるストレージは「可変サイズ」で「続き」、ファイルの場所とサイズは、そのまま (デフォルトの場所でサイズは10.00GB) で良いです。
ここで「作成」を押すと、仮想マシンが作られます。まだ起動はしないてください。
Ubuntu のインストール
Ubuntu のサイト から Ubuntu Desktop 20.04 LTS をダウンロードします。
本日時点ではダウンロードページはここです。ubuntu-20.04-desktop-amd64.iso というファイルです。
この iso ファイルを仮想マシンの光学ドライブにセットします。
VirtualBox マネージャーから先程作成した仮想マシンを選択して、「設定(S)」を押すと、設定画面が開きます。上部のアイコンの「ストレージ」を押し、そこで「ストレージデバイス」の「コントローラー:IDE」の下の「空」というところをクリックすると、以下のような光学ドライブの設定画面になります。
「属性」の光学ドライブの「IDEセカンダリマスター」と書いてあるプルダウンの右に光学メディアのアイコンがあるので、そこをクリックしてください。表示されたメニューから「ディスクファイルを選択」を押し、先程ダウンロードした ubuntu-20.04-desktop-amd64.iso を指定してください。
続いて、設定画面上部から「ディスプレイ」を選んでください。
ここでは、「グラフィックスコントローラー」の設定を「VBoxSVGA」に変更します。変更すると画面下部に「無効な設定が見つかりました」と出ますが、強行します。こうしないと、あとで画面が真っ暗な状態で止まってしまうという事象に遭遇しました。
「OK」を押して設定画面を閉じます。
ここで、仮想マシンを起動します。VirtualBox マネージャーから仮想マシンを選択して「起動(T)」を押してください。
Ubuntu のインストーラが起動しますので、一般的なインストール手順に沿ってインストールしてください。一部、推奨設定をお伝えします。
- 「ようこそ」の画面では、お好みの言語 (日本語など) を選びましょう
- 「キーボードレイアウト」は「Japanese - Japanese (Macintosh)」などの Mac レイアウトが良いと思います
- 「アップデートと他のソフトウェア」で、最小のインストールを選びましょう (ディスクを 10GB しか確保していないので)
- サードパーティ製ソフトウェアも要らないと思います
最後に再起動してインストール完了です。
VirtualBox Guest Additions のインストール
前の手順に続いていれば、Ubuntu が起動していると思います (仮想マシンを起動していなければ、起動してください)。ログインしておいてください。
まず、左下のメニューから「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo apt-get update sudo apt-get install gcc make perl
続いて、VirtualBoxVM メニューから Devices - Insert Guest Additions CD Image を選択してください。仮想マシンのデスクトップに以下のようなダイアログが表示されるはずです。
「実行(R)」を押してください。
パスワードの入力を要求されたあと、端末が開いて、次のように進行します。エラーなどが表示されている場合は、読んで指示に従ってください。
エラーが無ければ、指示通り Return を押して端末を閉じましょう。
また、左のサイドバーにある光学メディアのアイコンをクリックして、開いたウィンドウから VBox_GAs_6.1.6 の右にある「アンマウント」ボタンを押して、Guest Additions CD Image を外します。
ここまでできたら、仮想マシンを再起動しましょう。
Wine 5 のインストール
Wine 5 は apt で簡単にインストールできます。合わせて wine.desktop も入れます。
sudo apt install wine64 sudo curl -o /usr/share/applications/wine.desktop https://raw.githubusercontent.com/wine-mirror/wine/5c2d6211f6590d3856dc9188593b3d3597c8b441/loader/wine.desktop
wine.desktop は、Ubuntu Desktop に Wine Windows プログラムローダーで開く機能を追加するものです。
MT4 のインストール
仮想マシン内から、MT4 をダウンロードしましょう。Firefox が入っていると思うので、そこからお使いの FX 業者のサイトへ行くなどして、ダウンロードしてください。ダウンロードするのは Mac 用ではなく Windows 用にしてください。
ダウンロードしたら、そのファイルを Wine Windows プログラムローダーで開いてください。おそらくダブルクリックなどで開けば良いと思います。だめなら右クリックして「別のアプリケーションで開く(A)」を押し、そこから選んでください。
あとは普通の MT4 のインストール手順に従って進めてください。インストール中のいくつかの画面は文字化けしているかもしれませんが、インストール後のターミナルや MetaEditor は大丈夫でした。
以上となります。是非お試しください。