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2020/05/02

Java - 割り込み可能な反復処理スレッドを作る

Java にはスレッドに対する割り込み機構があります。
スレッドからスレッドに interrupt シグナルを送って、割り込みたいという意思を伝える仕組みです。しかし、どんなスレッドでも interrupt を送れば割り込める、というような簡単なものではなく、割り込まれる側のスレッドが、interrupt シグナルを受け取ったときの処理を正しく実装していなければ、割り込むことはできません。
具体的には、InterruptedException や Thread.interrupted() のハンドリングを正しく行う必要があります。
今回はサンプルとして、繰り返し処理をし続けるスレッドを割り込み可能として作るためのちょっとした基底クラスを用意しましたので、見ていきたいと思います。

2020/04/08

Java の final の仕様(3) - final フィールドのセマンティクスの有用性と仕組み

final フィールドのセマンティクス

final フィールドは初期化されたら変更されることはありません。そのため、final フィールドへのアクセスと、通常のフィールドへのアクセスは、その意味するところ (セマンティクス) が少し異なってきます。例えば、通常のフィールドの内容の参照は、「そのタイミングでの値」を取得するという意味を持ちますが、final フィールドの場合は内容が変わりませんから、「そのタイミングでの」という意味は抜け落ちます。
Java は final フィールドのセマンティクスを活用して、メモリアクセスの最適化をしたり、同期化を減らしたり、セキュリティを担保したりしています。Java 言語仕様に沿って確認してみたいと思います。

2020/03/21

Java のシングルトンを正しく実装しよう

Java プログラマの皆さん、シングルトンを正しく実装できますか? 「そんなの簡単だよ」とおっしゃると思いますが、意外と注意点が多いものです。ここでは正しいシングルトンの実装を確認しておきたいと思います。

Initialization-on-demand holder idiom

Initialization-on-demand holder とは?

Nested static class が使えて、そのクラスの初期化が、そのクラスに初めてアクセスされたときに行われるようになっている言語では、Initialization-on-demand holder という idiom で変数の遅延初期化を行うことができます。
クラスの初期化は同期化されているはずなので、マルチスレッドプログラムでも多重に初期化が実行されることはありません。また、アウト・オブ・オーダー実行によって初期化が不完全な変数を参照してしまうこともありません。
シングルトンインスタンスの遅延初期化によく用いられます。

Double-checked locking は使わないようにしましょう

Double-checked locking (DCL) とは?

Double-checked locking とは、マルチスレッドプログラムにおいて、複数スレッドから参照される変数について、初めて参照されたときに一度だけ初期化を行いたい場合に、同期化のコストを最小化するために考えられた idiom です。
変数への代入が行われるのは初期化時だけなので、同期化が必要なのはそのときだけです。したがって、初期化が終わっているときは同期化をしないようにすることで、同期化のコストを回避しようという発想です。

アウト・オブ・オーダー実行に気を付けよう

現代のアーキテクチャのコンピュータでマルチスレッド・プログラミングをする場合には、アウト・オブ・オーダー実行のことを理解しておく必要があります。
プログラマの皆さんは、「プログラムは思った通りに動くのではない。書いた通りに動くのだ。」と教わってきたと思いますが、イマドキのコンピュータでは、書いた通りには動いていません。
アウト・オブ・オーダー実行について、しっかり理解しておきましょう。